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INFORMATION 2021.7.9

“インザスカイSANO”こと、【佐野塾!】其の一:ヒルクライムとロードレースのトレーニング方法

1982年生まれのベテランレーサー”インザスカイSANO”こと佐野 淳哉選手。長年のレース経験からおすすめのインドアトレーニング方法を教えていただける『佐野塾!』を開校致しました。 すでにもう残り2ヶ月を切りましたが直近で開催される乗鞍ヒルクライム、シマノ鈴鹿ロードレースに向けて、これから約2ヶ月という期間を据えた時にどのようなトレーニングをしたらいいか という事を今までの佐野選手の経験を踏まえてインタビューさせていただきました。

ぜひご受講下さい!!

  1. 残り約2ヶ月を切るこの時期に控えるアマチュアレースを前に
  2. ヒルクライムにフォーカスした場合の残り約2ヶ月でのトレーニングについて
  3. 2ヶ月前までの頻度の調整は?
  4. ヒルクライムの場合のもうひとつのネック
  5. 佐野選手のおすすめトレーニング
  6. ロードレースにフォーカスした場合の残り約2ヶ月でのトレーニングについて
  7. スマートバイク(トレーナー)でするトレーニングについて
  8. 実走の時とインドアの時とのパワーの違い
  9. ロードレースでの集団走行についての練習は?
  10. 食事や体重について

残り約2ヶ月を切るこの時期に控えるアマチュアレースを前に

S(弊社スタッフ鈴木):アマチュアのロードレーサーが目標にしている方も多いと言われる乗鞍ヒルクライムですが約2ヶ月後(取材時)2021年8月29日に開催されると思います。こちらが20.5kmで1,300mくらいアップするんですよね。かつゴールが2,700m以上ということでけっこう高地でなかなかハードであることが想像できるんですけど…
またこちらも大きなレースですがシマノ鈴鹿ロードレースがありましてこれもちょうど2021年8月の28.29日に開催されるのであと約2ヶ月後に控えていると言うことで…
ホビーレーサーの方でヒルクライムなどこの規模のロードレースなどは参加して楽しまれている方すごく多いと思うんですが ちょうど2ヶ月を切るこの時期にこれからどういうトレーニングをレースに向けて積んでいくとちょっとでもタイムが良くなったり、順位が上がったり…など佐野さんの長年の選手経験から アドバイスいただければと思います。
とくに今、佐野さんには現在インドアバイク、STAGES BIKEを使っていただいていると思うのでそちらを活用したアイデアなどもいただければと思います。
佐野さんご自身はヒルクライムなどのレースなどは出られた事はあるんでしょうか?

佐野塾

SJ:(佐野淳哉選手以下敬称略)ヒルクライムは昔、富士のあざみラインや一般参加で静岡県内で行われたイベントに出たり、それと長野県の栂池のヒルクライムも出たことがあります。

S:佐野さんのご経験から…ヒルクライム、ロードレースに向けたトレーニングの内容はそれぞれやはり違うのでしょうか?

SJ:似てる部分もあるんですがやりたい内容は、やはりヒルクライムとなると基本的に勾配が上がれば上がるほど人の後ろに風よけになるってこともないですし、TTみたいな能力の方が要素が大きくなるかなと思います。

S:そうするとトレーニング内容もおのずと違ってくる…。

SJ:そうですね。強度を上げるためにずっと走っていればいいというわけではないのでターゲットというか、どういうことを目標にしてトレーニングするか、ということで若干内容が変わって来るかと思います。

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ヒルクライムにフォーカスした場合の残り約2か月でのトレーニングについて

S:なるほど。前提として異なる目的(ヒルクライム、ロードレース)の競技でもあるので、それぞれのレースについてアドバイスをいただいてもよろしいでしょうか。
まずはヒルクライムにフォーカスした場合の残り約2か月でのトレーニングについて教えていただければと思います。

SJ:はい。まずヒルクライムに関しては、

10分から20分くらいのペース走を繰り返していく

のがいいかなと思います。よくSNSでも見ますが、FTP走と言われるものですね、それを繰り返す事が重要ですね。レースと同じ時間漕ぎ続けるとかそういうことはあまりしなくてもいいのかなと思います。
あとは住んでる地域にもよると思いますが、もし近くに長い峠などが近場にある方は実走でもなんとかなるかとは思いますが、そうでない方にとっては、やはりこういったインドアスマートバイク(STAGES BIKE)などがあるとずっと踏み続けられる事ができるので先ほどお伝えした様な練習をできるのかなと思います。


S:そうですよね。必ずしも近くに練習できる様なちょうどいい峠があるかというと…なかなかないですよね。佐野さんは普段トレーニングする際はZwiftなど、アプリにつなぐことが多いんですか?


圧倒的なユーザー数、人気を誇るバーチャルサイクリングアプリ。Zwift(ズイフト)
Zwift

SJ:…も、ありますし、(STAGES LINKアプリ上での)ギア比や出力などのモニターだけ見ながら練習する時もありますね。Zwiftですと…これはメリットでもありデメリットでもあるんですが (Zwiftだと)相手がいるのでついつい競争っぽくなってしまうんですよね。強度を上げる時はZwiftでもいいのかなと思いますがペース走的なものだと、僕はギア比などの数値だけを見ながら走ってもいいんじゃないかなと思います。
あとはZwift内でもレースじゃなくてメニュープランもあるので、もしそちらで合うようなものがあればそちらでやっていただいてもいいかと思います。 10分とか20分でのFTPっていうのがどれくらいかってのは難しいんですが、その前後の負荷を何回かに分けてかけ続けるのがいいと思います。


STAGES LINKアプリ上ではタブレットやスマートフォンでギア比や出力、左右バランスが見れる
佐野塾

S:だらだらと漕ぎ続けるんじゃなくてFTPを高くしすぎないと。

SJ:そうですねかなり高くなるので…逆に室内ローラーってそんなにもたない方のほうが多いですし、一般的にそこまで上げられる方は多くないと思うので、

短い時間でしっかり負荷を集中してかける事をした方がいい

と思います。

S:頻度などはどの程度がいいのでしょう。毎日できるのでしたら毎日やったほうがいいんでしょうか。

SJ:できるんでしたら毎日、10分20分を休息ももちろん取りながら続けられればいいですが、働いてらっしゃる方が多いと思うので、毎日仕事の前や後に10分や20分のFTP走を、いわゆるTTみたいなことをやるっていうのは(継続させるという意味で)現実問題難しいんじゃないかな、と思うので…
僕が思うに、10分/20分走をやる日は…週に2回、多くて3回取れたら結構いい方じゃないかなと思います。それを例えばこれから約2ヶ月間続けて行くというのは、思った以上に精神的にもくるんじゃないかと思うので…。


S:逆にそれを乗り越えられればかなり強くなれると。

SJ:そうですね、そう思います。それに…10分/20分も1日に1回やればいいというわけではないので、10分だとだいたい3回くらい入れたいかな、と思いますがそれを3回上げるっていうのは…相当きついな、と思っていますので(笑
普段の本業と合わせてトレーニングするのであれば、そのくらいのペースかなと思います。


S:では最低週に2回くらいのペースですね。プラス実走のトレーニングはやったほうがいいでしょうか?

SJ:そうですね。

インドアトレーニングのメリットはずっと負荷をかけ続けられる

というのはありますが車体を実際に動かすと言う意味では技術的な要素があると思うので 平日または天気が悪い日は例えばスマートトレーナー(バイク)で負荷をかけ続けて、休みの日には一人じゃなくても仲間の方々と一緒に走ってもらってもいいと思いますけどある程度の距離を実走で乗ったり。 そこでは自分と向き合うペース走でなく競争みたいなものをしてもらえばいいと思います。

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2ヶ月前までの頻度の調整は?

S:なるほど。そのトータルの頻度っていうのは2ヶ月前、1ヶ月前、直前…みたいので強度などは調整したほうがいいのでしょうか?

SJ:直前に焦ってそういうトレーニングは入れすぎない方がいいと思います。1週間~10日前になったら調子の維持に留めたほうがいいかなと思います。

S:S:疲労を残さない意味でも、という事ですね。

SJ:そうですね。あとは…多分いやになってしまうので漕ぐ事が。(笑
付け焼き刃的なことになってしまいますし。やったから、という満足感を得て、意外に当日レースになったら「あれ、頑張ったわりにそうでもなかったな…」ってなってしまう事が考えられるので…。 それよりも前にきっちり上げといて 最後の1週間~10日前には自分の中で「ある程度やったな、」と納得した状態で本番のレースに臨んでもらったほうがいいかと思います。
僕も付け焼き刃で…さんざん負けてきた経験があるので…(苦笑
付け焼き刃は結局いいところまで行ってもやっぱり勝てない、というか目標の場所にはたどり着けないんじゃないかなと思います。

近づく事はできても、結局前もってしっかりやってた人間にはどうしても勝てない。

なのでもし「ああだったら、こうだったら」というのがあったとしても結局そのやり方は、最後は勝てない、と思います。その目標とした順位に。



S:そうなんですね…そういった意味で、ホビーレーサーは定期的にレースがあるっていうスケジュールってなかなかないと思うんですね。「〇〇のレースに出る」って決めて標準を合わせていく方が多いと思うんですが 人それぞれだとは思いますがだいたい理想的にはその目標としているレースのどのくらい前から練習をやっていけばいいのでしょうか。

そうですね、2ヶ月あれば十分時間はあると思いますし、ものすごい十分というわけではないですが対応できない期間、ではないと思います。

佐野塾

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ヒルクライムの場合のもうひとつのネック

SJ:ヒルクライムの場合もうひとつのネックが体重になるかと思います。強度をあげるだけでなく例えばこういったスマートバイク(トレーナー)などにとにかく乗って、体重を絞る事もひとつ考えておいた方がいいと思います。
僕も選手をもう16.7年やっていますが…ここで言うのもなんですが、10年前と比べると圧倒的に体重が増えてしまったんですね(笑
パワー自体は今も出せているんですが、体重が増えたので、同じ峠でのタイムが10%くらい遅くなってしまったんですよね。
回数をこなしていくと、どんどんその差が大きくなってきて、一回目はまだ1分差で済むところが2本目また10分の登りに行くともっと差が出て、3本目もっと差がでて…と言う事になってしまうので。 ひたすらパワーを上げるだけではなくて、僕みたいに体格の良い方は脂肪を落としていく様な負荷の低めのトレーニングをして時間を稼いでいくことも大切かなと思います。


S:出力を上げるトレーニングだけじゃなくてLSD的なトレーニングもした方がよい、と言う事ですね。

SJ:そうですね。

S:(体重の)重さは効きますね…

SJ:はい(笑、自分でもびっくりするぐらい変わってくるので…!
あと同じタイムで走れたとしても、やっぱり脂肪で増えた分でいうのは身体への負担が大きいので 乗鞍だと1時間じゃ…走り切れないですよね、それが10分、15分だったら一緒に行けたものが1時間以上になってくるとそうとう身体への負担が大きくなってくるので。始めに無理してしまうとどっかでがくん、とパワーが出せなくなると思うので、そういう意味でも体重を落としておいて同じパワーを出すにも負担を減らしておいた方がいいと思います。
食事制限というのもひとつの手でもありますが、できるならやっぱり運動でカロリーを消費して体重を落として行った方が間違いなくパフォーマンスは当日に反映されるんじゃないかと思います。


S:食事制限だけだと本来のパフォーマンスを落としてしまう可能性がある、と?

SJ:その危険性も大きくなりますし、あともうひとつは間違いなくリバウンドがやってくると思うので…。
目標がそのレースだけ、とかならいいんですけどその後の事も考えると 僕もそうだったんですがその後すごい我慢をするので、いっきにレースが終わったあと食べちゃうとか。 あと2ヶ月もってくれたらいいいんですが2ヶ月来る前にトレーニングのストレスや何かの仕事のストレスがあった場合、ドカ食いってやつですね、やってしまうと思うので…。それを考えると運動で減らして行ってくれた方がいいかなと思いますね。


S:今のお話を聞くと総合的に2ヶ前くらいからいろいろ本格的に取り組むにはちょうどいい期間ですね。

SJ:そうですね。逆に半年間もあると…やり続けるのは(集中的にやるとなると)つらいと思うので。

S:確かにホビーレーサーにとってはちょっと長いですかね。

SJ:そうですね、僕でもそこまでもたないと思うので。(笑
短い期間で集中してやった方がよいと思います。



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佐野選手のおすすめトレーニング

(主にスマートバイクを使用)

【1時間ほどの場合】
1) 20分アップ→8~10分のFTP走(上げすぎ注意)→5分休憩→8~10分FTP走→5分休憩→1分高強度1分休憩を3回→クールダウン

2) 20分アップ→10分のFTP走→10分休憩→5分走(FTP以上)→5分休憩→5分走(使い切り)

【2時間ほどの場合】】
1) 20~25分のアップ→テンポ走30分→15分休憩→10分のFTP走→休憩10分→12分の変化走(入りの3分を高い強度その後4分はエンデュランス域でその後2分は再びFTP走、2分休んで最後1分は全開)→5分休んで10秒全開50秒休みを5回

2) アップ時間は変わらず、その後1時間の中でテンポレベルで漕ぎながら、5分お気に1分高ケイデンス走1分→10分休んで90秒の高強度、5分休みを3回

これを毎日ではなく、週に2~3回がおすすめ!無理をしているな、と思ったら充分に休息を入れましょう。


STAGES BIKEでのトレーニングをレクチャーいただいている佐野選手。佐野選手のパワーにビクともしないSTAGES BIKEにも注目!

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ロードレースにフォーカスした場合の残り約2ヶ月でのトレーニングについて

S:鈴鹿の場合、初級、中級くらいの方の5周とか30km…3周だと18kmくらいですかね、そのあたりのレースで上位というか成績を上げたいな、考えている方向けにはどういったトレーニングがよいでしょうか。

SJ:鈴鹿の場合は僕も何回か参加させていただいたことがあるんですが…まずホームストレートの坂が…特にホームを過ぎて上でクランク状になっている部分があるんですがそのあたりが一番、一般の方はちぎれやすいんじゃないかなと思うのでその10分、20分というよりは、ほんともっと短い…3.4分のインターバルを繰り返して行った方がいい気がします。これはもうTTじゃなくてもっと上のレベルの強度を繰り返して行った方がいいですね。

S:さっき言われてたヒルクライムのFTPで10分、20分(のトレーニング)じゃなくてもっと短く?

SJ:そうですね10分、20分もたまにやっていただいてもいいいんですが多分一番レースを左右する決定打は、実は4分よりもっと短いんだとと思います。もしかして1.2分の話かもしれないですし… そういう

5分未満のインターバルを僕は繰り返して行った方が成績につながりやすい

のかな、と思います。多分ホームの登り自体も実際、2分ないと思いますし…。

S:そこで高い出力を出せるトレーニングをした方がいいんですね。

SJ:はい。だんだんちぎれていくんじゃなくて、レースのアタック合戦とかでこう何かでブチっとちぎれるとか(集団が)、だんだん減っていくとかじゃないと思うんですよね。 行かれて追い付かなきゃ、みたいなよりロードレースらしい掛け合いが多くなると思うので。そういうのに対応するって考えると、僕らがちぎれる時っていうのも10分間耐えられなかった、という事よりは

「あの時!」

…について行くことができなかったという一瞬の出来事なんですよね。
なので例えば僕がよくやっているのは2分とかだと、×6回ですね。2分走って5分から6分休んでっていうのを6回とかやるんですが、そういう練習を入れてってもらった方がいいんじゃないかと思います。

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スマートバイク(トレーナー)でするトレーニングについて

SJ:そこでもスマートバイク(トレーナー)のいいところは、倒れるまで追い込んでも、外だと危ないですけどそのまま床に横になれるので…

思う存分もがいて下さいっていう(笑



佐野塾

S:ギリギリまで追い込める、本当に倒れてもいい(笑

SJ:はい(笑
ただ最後重要なのって追い込み切る、と言う事だと思うので。そういう面では実走と違和感はあると思いますがかなり大切な事かなと思います。


S:確かに道路でそこまで追い込んだら危ないですよね、帰ってこれなくなっちゃう。

SJ:はい本当に危ない…立ってられないと思うので。

S:ロードレースはそのくらいちょっとキツいくらいの事(実感しておく)が非常に重要になるという事ですね。

SJ:はい。ただやるにしてもいきなりそれをやるんじゃなくて、例えばヒルクライムの時にお話した10分のものを1回(多少強度を落としてもいい)ウォーミングアップ的にやって 最後に2分のインターバルとか。
イタリアの選手とかだと40秒もがいて20秒休む…というのを10本~12本やっていますがそういうのも必要になってくるかと思います。


S:その2分、40秒、とかいうのはどのくらいの出力で目指したらよいでしょうか。

SJ:2分に関しては僕の場合だと120%~130%(FTPの倍率)くらいでしょうか。それを5本やって最後はもう何も関係ない全力でやって、というのを繰り返してます。なのでいきなりもう全開ALL OUTじゃないものでやってもらいたいと思います。
これは個人の感覚なのでけっこう難しいですが…
休憩は僕は6分取りますがもう少し(個人の体力に合わせて)それ以上とってもいいですかね。かといって30分とか休憩しちゃうと意味がなくなってしまいますが(笑
できたら休憩は5、6分…で行ってもらえたらいいなと思います。スマートスマートバイク(トレーナー)なので実走よりも出力は出しづらいと思うのでそこは加減してもらって 実走でこれだけ出てたのに「なんで出ないんだ?」って無理やりスマートバイクで同じ出力を出そうとするんじゃなくて まずはスマートバイクで出せる出力も考えてもらってやってもらったほうがいいかなと思います。
もしかしてスマートスマートバイク(トレーナー)の方が出しやすい、という方もいらっしゃるかもしれないですが…。一概には言えないですが僕は実走よりも少し低めにしてやらないと続かない、というのがあるので若干スマートバイクは低めにするんですけども。


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実走の時とインドアの時とのパワーの違い

S:外と同じデータをスマートバイクで出そうとするとしんどい、て事ですかね。

SJ:きついですね…。ひとつは身体の冷却もできないっていう事もあるかもしれないですが…。あとは車体を振ってパワーを出しているという面があるのでそれが出しにくいので短時間系はスマートバイクの方が出しにくいのかもしれないですね。

S:そこはちょっと調整が必要ですね。

SJ:そうですね。1回だけやるんだったら実走と同じ値を出してもいいと思いますが2ヶ月間、それを繰り返して行くとなるとちょっと精神的にもたなくなって途中で「プチン」とやめちゃうとか…。トレーニングを止めてしまう可能性を考えると一個は実走の値が目標になって、やりながらやれる出力、やれない出力というのが出て来ると思うのでそこをターゲットにして、10分、2分走を考えてもらった方がいいと思います。

S:佐野さんも追い込まれる時は家の中で倒れるまでやられたりしているんですか。

SJ:この上で(STAGES BIKEを乗った状態で)げろげろ言ってる時はありますね(笑

佐野塾

S:(笑

SJ:Zwiftだと1,000メートルくらい登るのありますよね『Alpe du Zwift(アルプ・ド・ズイフト)』でしたっけ、あれをやったときはほんとに地獄でしたね…(笑
実走で…あの登りで僕だと45分くらいかかるんですが45分の登りを近くで探そうとなると僕はまだ静岡で富士が近いので、まだやりやすいですが、住んでる地域によってはなかなかないと思うので…。 そういう面でもスマートスマートバイク(トレーナー)で練習をやり続けるというのはいいと思います。


S:転倒する危険もないですしね。

SJ:いや僕も怪我したんで…。本当にそうですね…。

S:先ほどの2分のインターバルを繰り返す、というお話ですが強度は2ヶ月前から同じでずっと行く感じでしょうか。

SJ:今まで何をされていたかにもよるんですが、僕みたいに毎日乗っているとそんなに劇的に上がらない、と思うんですが、今までやってなかった方が集中してやろうとするとしたら、始めはそんなに出さなくても多分伸び率が違ってきちゃうと思うのでもしかしたら思ったより余裕でどんどん上がってちゃうという方もいるかもしれないですね。
…なので確実に「こうすると絶対いいですよ」みたいのは…もしかして2ヶ月後にもう実力不足の負荷なのでもう6本やっても簡単に終わっちゃうよ、ていう事になってくるかもしれないので「もうちょっと上げられるんだよ」という所があったら上げてもらったほうがいいと思います。


S:頻度的にはどうでしょうか?

SJ:2分のインターバルはそんなに回数こなせないと思うので、これは週3とかじゃなくて週1…良くて週2くらいでいいと思います。あとの部分は鈴鹿を走る方でも、10分走などを取り入れながらやっていったらいいと思います。

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ロードレースでの集団走行についての練習は?

S:ロードレースの場合、集団走行などもあるので、当然インドアだとなかなかトレーニングしづらいかと思いますが、そのあたりはどの様に取り組んで行ったらいいでしょうか。

SJ:集団と言うと…踏む、踏まない、というポイントが出て来ると思うのでそこのあたりは何をやるぞ、と言うよりはそれこそZwiftのレースをやってもらった方がドラフティングが効いている時、アタックする時ができたりするのでそっちの方が「踏む、踏まない」の実践の練習ができると思います。コントロール自体はどうしても(インドアでは)無理な部分があるので、そこは実走とは少し変わってしまいますけどね。

S:集団の中でのタイミングとかはZwiftでも十分(練習)できると。

SJ:そうですね、なるべく人がたくさん出ているレースとかがいいかなと思います。

S:逆に練習の為に(実走の)レースに出ようと思っても、たくさんのレースにはお金もかかりますし現実的には無理ですものね。

SJ:そうですね。それこそZwiftでは1日に何本もレースはやってますし完全にレースと一致はしないですが、それに近い負荷をかけるという事はバーチャルサイクリングでもできるので そういう面ではかなり有効ではないかなと思います。
僕もたまにレースに出てますが、やっぱりかなりきついですよね。
幸か不幸か、見えないじゃないですか、アタックするタイミングが。それに無理やり追いつこうとするって言うのは、けっこう負荷が高い気がするので そういう面で面白味を持ちつつやれるんじゃないかと思います。


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食事や体重について

S:先ほどヒルクライムの時に体重も重要ですというお話がありましたが…。ロードレース的な見方で言った時に体重コントロールとか食事とかの調整などはどうしたらよいでしょうか。

SJ:食事は…むやみに筋肉(筋力)をつけたいと言っていっぱい食べる、って言う事はしなくていいかなと思うんですがヒルクライムよりはロードレースは体重は気にしなくてもいいと思います。それよりは

パワーの絶対値を上げる様な、負荷の高い練習を増やしていった方が

いいかなと思いますね。
レースがほんと決まる時って1分未満の話なので、そこでどれだけ高い出力を出せるか、と言う事が大きな鍵になると思いますので…。それを考えると痩せてる方が筋肉量も減っていくので大きいパワーを出しにくくなると思うんですよね。そういう面で筋トレみたいなものを以前記事にも書かせていただいたSFRっていう低回転の負荷をかけるようなトレーニングで筋力アップを図りつつやっていったほうがいいと思います。



【連載2】SFRトレーニングを紹介している『梅雨時期にオススメのトレーニング!』はこちら
https://brand.intertecinc.co.jp/special/sanospecial02/ 佐野塾

S:佐野さんはレース前とレース後の食事を変えたりなどされてますか?

SJ:あまり変えないですけれども… レース後はだいたい1回、気分転換に好きなものを食べてますかね…。

S:ベースには意識した食事を行ってらっしゃって、そこでちょっと緩める、という感じですかね。

SJ:…の、方が続けられるかな、と思いますね。僕はちょっとずっと我慢し続けるのがあまり得意でないので(笑
中には制限するのが苦にならない方もいらっしゃると思いますが…。僕は一回レースで区切りを付ける様な形で、先日富士ヒルクライムで優勝されたZWCの池田さんも月曜には絶対休む、とおっしゃってましたがあの様なメリハリをつける感じですかね。
リフレッシュも兼ねて食べ物とか好きなものを食べて、またがんばる(気力を養う)練習する、とかの方がいいかなと思いますね。


S:今日はヒルクライムとロードレースの初級者、中級者くらいの方がこれから約2ヶ月っていう期間を据えた時にどのようなトレーニングをしたらいいか、という事を今までの佐野さんの経験を踏まえて非常に参考になるお話をたくさん聞かせていただきました!
今日はお忙しいところ本当にありがとうございました。今後のご活躍も楽しみにしております!

SJ:はい!ありがとうございました!
いかがでしたでしょうか。ヒルクライムとロードレースによってそれぞれトレーニング方法や身体づくりの違いなどを教えていただきました。こちらをご参考にぜひ目標とされるレースに向けて塾生の方はトレーニングに励んでいただければと思います!!次回は佐野選手に聞きたいご質問を受付させていただきお答えいただきます。ぜひお楽しみに!!

佐野選手、お忙しい中、快く取材に対応していただきありがとうございました!

佐野塾


◆佐野淳哉選手
※インザスカイSANOtwitterより


佐野選手は1982年生まれのベテランレーサー。過去には国内トップチームだけでなく、現在のNIPPO・ヴィーニファンティーニに当たるチームや、イタリアのUCIプロコンチネンタルチームで海外レースを経験。国内のロードレーサーとしては大柄な178cmという身長に、70kgを超える体重から繰り出されるトルクでペダルを踏み倒すパワフルな走りが持ち味です。

Twitterでは“インザスカイSANO”を名乗り、強面でありながらその風貌から織りなすコミカルで不思議な世界観にハマるファンが急増!!!突っ込みどころ満載のツイートはこちら!
◆インザスカイSANO
https://twitter.com/sanojunya0109

佐野 淳哉(さの じゅんや)PROFILE


1982年静岡県清水市出身
静岡県静岡市清水区在住
チームブリヂストン・アンカー所属(2005年)
チーム・バン・サイクリング所属(2006〜2007年)
チームNIPPO・エンデカ所属(2008〜2012年)
ヴィーニ・ファンティーニ=セッレ・イタリア所属(2013年)
那須ブラーゼン所属(2014〜2015年)
TEAM MATRIX POWERTAG 所属(2016〜2019年)
レバンテフジ静岡 所属(2020年〜)

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